Excel VBAを使っていると、時折印刷プレビューが固まってしまう問題に直面することがあります。
この記事では、そのような問題を解決するための方法と、実際のサンプルコードを提供します。
さあ、手を動かしてみましょう!
なぜ印刷プレビューが固まるのか?
印刷プレビューが固まる問題は、Excelが大量のデータや複雑な操作を処理しようとする際に発生することがあります。
これは、通常はメモリ不足やプログラムの最適化の不足によるものです。
解決法1: メモリを最適化する
まず最初に試すべき方法は、Excelのメモリを最適化することです。
以下のサンプルコードを使って、メモリを解放するプロセスを自動化しましょう。
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Sub メモリ最適化() ' クリップボードの内容をクリアし、計算を再実行します。 Application.CutCopyMode = False Application.Calculate ' 2秒後に「メモリクリア」サブルーチンを実行します。 Application.OnTime Now + TimeValue("00:00:02"), "メモリクリア" End Sub Sub メモリクリア() Dim MySheet As Worksheet ' ワークシートを1つずつ処理します。 For Each MySheet In Worksheets MySheet.Select ' セルの値をコピーして、クリップボードに貼り付け、計算モードをクリアします。 Cells.Copy Cells.PasteSpecial Paste:=xlPasteValues Application.CutCopyMode = False Next MySheet End Sub |
これにより、計算結果が貯まりすぎないようにメモリをクリアできます。
解決法2: コードを最適化する
もう一つのアプローチは、Excel VBAコードを最適化することです。
余分なループや無駄な処理を減らすことで、パフォーマンスを向上させましょう。
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Sub 最適化サンプル() ' 最後の行を取得します Dim LastRow As Long LastRow = Cells(Rows.Count, "A").End(xlUp).Row ' 処理対象のセル範囲を設定します(A列の1行目から最後の行まで) Dim MyRange As Range Set MyRange = Range("A1:A" & LastRow) ' MyRange内の各セルに対してループ処理を行います For Each Cell In MyRange ' ここに処理を記述 ' Cell変数は、現在処理中のセルを指します Next Cell End Sub |
このサンプルコードでは、余計な処理を避けるためにデータの最終行を取得し、ループ処理を行っています。
まとめ
Excel VBAで印刷プレビューが固まる問題に対処するために、メモリ最適化とコード最適化の方法を紹介しました。
どちらか一方、または両方の方法を試してみてください。
Excelのパフォーマンスを向上させ、スムーズな作業環境を手に入れましょう。
サンプルコード
以下の例では、大量のデータを持つワークシートを印刷する際に発生する印刷プレビューの固まり問題に対処する方法を示します。
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Sub 印刷プレビューの固まり問題を解決() ' スクリーンの更新を停止 Application.ScreenUpdating = False ' 計算を手動に変更 Application.Calculation = xlCalculationManual ' 警告メッセージを非表示にする Application.DisplayAlerts = False ' ワークブックをコピーして新しいワークブックを作成 ThisWorkbook.SaveCopyAs "一時的なワークブック.xlsx" Workbooks.Open "一時的なワークブック.xlsx" ' ワークブック内の必要な処理を行う(例:データの整形やグラフの作成) ' ここに処理を記述 ' ワークブックを印刷プレビュー ActiveWorkbook.Sheets.PrintPreview ' ワークブックを閉じる(保存しない) ActiveWorkbook.Close SaveChanges:=False ' 一時的なワークブックを削除 Kill "一時的なワークブック.xlsx" ' 警告メッセージを再度表示 Application.DisplayAlerts = True ' 計算を自動に戻す Application.Calculation = xlCalculationAutomatic ' スクリーンの更新を再開 Application.ScreenUpdating = True End Sub |
このサンプルコードでは、以下の手順を実行しています。
- スクリーンの更新を停止し、計算モードを手動に変更して計算の負荷を減らします。
- 警告メッセージを非表示にしてユーザーによる干渉を避けます。
- 現在のワークブックを一時的にコピーして新しいワークブックを作成します。
- 新しいワークブック内で必要なデータの整形やグラフの作成などの処理を行います。
- 新しいワークブックを印刷プレビューして問題が発生しないことを確認します。
- 新しいワークブックを保存せずに閉じ、一時的なワークブックを削除します。
- 警告メッセージを再度表示し、計算モードを自動に戻し、スクリーンの更新を再開します。
この方法を使用することで、大規模なデータを扱う際にExcelの印刷プレビュー問題を回避できるでしょう。必要に応じて、サンプルコード内の処理部分をカスタマイズしてください。
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