VBAで使える定数の基礎知識と活用方法

VBAの定数はプログラムの安定性を確保する上で重要な役割を果たしています。
この記事では、VBAの定数について解説し、より効果的なプログラミングに役立てるための情報を提供します。

定数の基本知識

VBAにおける定数とは、一度定義された値がプログラムの実行中に変更できない、変更不可能な値のことを指します。
つまり、プログラムの中で使用される値が変わることがないことを保証することができます。
VBAの定数を使うことで、コードの簡潔化や保守性の向上が期待できます。

組み込み定数

VBAには、開発者が定義することができるユーザー定義定数に加えて、VBAの標準ライブラリにあらかじめ定義されている組み込み定数がいくつかあります。
これらの定数は、VBAコードの中で頻繁に使用される値を表すために使用されます。
組み込み定数は、特定の機能を持つキーワードによって定義され、通常、プログラム内でそのまま使用することができます。

たとえば、メッセージボックスに使う、

  • vbOKOnly:OKボタンだけを持つメッセージボックスを表示するための定数
  • vbYesNo:Yes/Noボタンを持つメッセージボックスを表示するための定数
  • vbInformation:情報を示すアイコンを持つメッセージボックスを表示するための定数
  • vbCritical:エラーを示すアイコンを持つメッセージボックスを表示するための定数
  • vbQuestion:疑問を示すアイコンを持つメッセージボックスを表示するための定数
  • vbExclamation:警告を示すアイコンを持つメッセージボックスを表示するための定数

これらは、全て組み込み定数です。
また、それ以外にも、

  • xlUpxlDownxlToRightxlToLeft:Excelのセルの移動方向を表す定数

上記もよく見る組み込み定数です。
念のため、これらを使ったサンプルコードを見てみましょう。

このコードでは、”xlUp”、”xlDown”、”xlToRight”、”xlToLeft”を使用して、アクティブセルから上下左右に移動して空白セルを探しています。
セルの移動には、RangeオブジェクトのEndプロパティと、それに続く移動方向を表す定数が使われています。
移動先のセルに値があるかどうかは、移動先のセルのValueプロパティを参照して判断しています。

ユーザー定義定数

組み込み定数以外にも、プログラマーが独自に定義することができる定数があります。
これらの定数は、VBAのConstステートメントを使用して定義されます。
なお、”Const”は、英語の”Constant”(定数)の略称です。日本語では「定数宣言」と呼ばれます。
Constステートメントを使用すると、実行時に値が変更されない定数を作成できます。
以下は、Constステートメントを使用して定数を定義する例です。

1つ目の定数は、円周率を表す定数で、2つ目の定数は、ネイピア数を表す定数です。

変数か?定数か?違いは何?

定数と変数の大きな違いは、変更可能かどうかです。定数は実行時に値が変更できないため、一度定義された値は変更されません。一方、変数は値を変更することができます。

つまり、定数は一度設定された値をプログラムの中で何度でも使用するために使用されます。一方、変数は、プログラムの中で値が変わる必要がある場合に使用されます。

また、定数はプログラムのどこからでもアクセスできますが、変数は通常、変数が定義されたスコープ内でのみアクセスできます。定数は、値が変更されないことが保証されるため、プログラムのバグを回避するためにも有用です。

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